(VOVWORLD) -ハノイ市郊外にあるチャンソン村は、ベトナムの古い大工村の一つです。様々な変化を経てきましたが、この村の大工工事業は今も発展しています。
職業としての大工がいつから始まったか、誰から始まったかをはっきり記す資料は残っていません。ただ、ベトナムのレー王朝時代の政治家で文学者でもあったグェン・チャイが15世紀前半に執筆した作品の中で、チャンソン村の大工業について書いています。また16世紀に、村の何人かの大工職人が、中国の明王朝の宮殿などの建設工事に参加したということです。家屋の建築だけでなく、チャンソン村では木工製品も作られています。種類は様々で、ベッド、椅子、箪笥、対句の板など、アンティーク風の家具や木彫り製品などがあります。村の大工職人の話です。
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「チャンソン村は昔風の木造住宅の建築が得意です。ベトナムでその分野では、一番有名な村だと思います。一軒の木造住宅を完成させるのにおよそ2年かかります。10年から15年前には、村の職人が、ハノイの文廟や有名寺院の改修工事にも参加しました。」
チャンソン村の大工職人は建築に携わるのはもちろん、芸術作品とも言える仏像などの制作にも関わっています。村の近くに国の特別遺跡となっているタイフオン寺があります。
そこの18体の羅漢像と仏像は、ベトナム仏教芸術の最高レベルの作品群の一つと言われていますが、その制作も行ったということです。先ほどの大工職人の話です。
(テープ)
「タイフオン寺の柱と梁の接合部などは、チャンソン村の職人らによって300年前に施工されました。今なお、昔のままの耐久性を保っています。また、タイフオン寺の羅漢像や仏像を見ると、それに魂が宿っている感じがしますよ。」
別の大工職人の話です。
(テープ)
「チャンソン村は、彫刻が施されたダイニングテーブルや木造住宅の部材と部材の接合方法に優れています。釘などを使わず、木の接合部を組み合わせるという昔ながらの技術を使っています。現在も、ベトナム全土のお客さんから注文を受けています。」
チャンソン村を訪れると、大工村の賑やかな雰囲気を感じることができるでしょう。